下手くそが頑張るブログ

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ポケモンの数値調整と数理

 はじめに

 おはようございます。スティーラーです。
 自分は最近あまりポケモンを出来ていませんが、色々思う所があって調整に関する記事を書くことにしました。

 来期からランクマのルールが竜王戦準拠になるとのことで新たにポケモンを育成する方も多いのではないかと思いますし、多少でもその参考になれば幸いです。

 久しぶりすぎて書き方を忘れたので分かりにくいと思いますが、改善点が見つかり次第修正・追記していきます。

 

前提

・数理的な厳密性を保ちつつ分かりやすく書くの難しい(><)
・Lv50想定、特定のポケモンの調整に関して言及はしない
・筆者は具体的な数値目標を設定して調整すべき派

用語

  分かり辛そうなものはここで説明しておきます。

  ・H,A,B,C,D,S:ポケモンの各能力の実値

  ・HB,HD:それぞれ物理耐久,特殊耐久を表し、それぞれH×B,H×Dに比例する

  ・火力:物理ならA×威力×その他補正,特殊ならC(以下省略)

  ・上から近づける:当該値を減らすことで目的の値にすること、例えば16n-1調整なら、192から値を1減らして191にする場合など

  ・下から近づける:当該値を増やすことで目的の値にすること、例えば16n-1調整なら、187から値を4増やして191にする場合など

 

倍率

  火力はAやCに,耐久はH,B,Dに比例すると見なしますので、例えば

  ミミッキュを(H131A156)→(H133A154) と変えた場合、

  耐久は133/131倍(≒1.02倍)になり火力は154/156倍(≒0.99倍)になったと考えます。

 

調整一覧

10n-1(珠ダメ調整)

  結論から書くと、

  ・上から近づけると得をしやすい
  ・下から近づけるのは何とも言えない

  です。

   実際にH160付近@珠で比べてみると

  161→145→129→113→・・・

  160→144→128→112→・・・

  159→144→129→114→・・・

  158→143→128→113→・・・

   とHPが推移します。
  160と159で比べると、1ターン後には同じHPになり、2ターン後には逆転していますね。つまり、たった数ターンだけで考えても10n-1に上から近づける意味はある(Hよりも他の値を伸ばす価値の方が高い)ということになります。
  ちなみに161と159で比べると2ターン後に同じHPになり、3ターン後に逆転します。

  では159と158で比べるとどうでしょう。耐久値の倍率が
  159/158→144/143→129/128→・・・
  と段々大きくなってはいます。しかし珠ダメだけで数ターンが過ぎることは稀ですし、もしその状況になったとしても耐久の差がどれほど活きるかというと怪しいところなので、他の値(AやSなど)を減らしてまで下から近づけるべきとは言い切れません。ポケモンや想定する場面によって耐久値・火力・素早さを天秤にかけてどう配分すべきか考えるのが良いでしょう。

 

16n-1(定数ダメージ調整)

  先程の10n-1と同じで、結論は

  ・上から近づけると得をしやすい
  ・下から近づけるのは何とも言えない

  です。

  考え方も同様なので割愛します。

 

16n+1(食べ残し調整)f:id:Level_Eater:20210807124702p:plain

  ※当たり前ですが、所謂「食べ残し効率」だけを考えるなら16n+1よりも16nの方が優れています。しかし定数ダメージと死亡ターンの関係や身代わりの都合からこうすることが多いようです。

  結論は

  ・上から近づける意味はそこそこある
  ・下から近づける意味は大きい

  です。

  今回はH175,177,179@食べ残しで比べてみましょう。

  175→185→195→205→・・・

  177→188→199→210→・・・

  179→190→201→212→・・・

  (値が最大HPを超えているのはあくまで目安)

  まず177と175で比べると、耐久値の倍率は
  177/175→188/185→・・・ と段々大きくなっています(無限ターン後には1.1倍に収束)。

  逆に177と179で比べると倍率は
  179/177→190/188→・・・ と段々小さくなっています(無限ターン後には1倍に収束)。

  つまり、ターンが経過するほど16n+1を超過した分の数値は価値が下がる(Hの努力値を他に回した方が得)となります。そしてこの倍率の差は価値が大きいと考えられます。食べ残しを持つポケモンは長期的な戦いを想定されるからです。以上より、16n+1調整は有意義だと言えるでしょう。

 

11n調整(性格補正効率)

  結論は

  ・上から近づけるのはどうでもよい
  ・下から近づける価値はそこそこある

  です。

  性格補正↑がある時の努力値と実値の変化を見てみましょう。

  11n→11n+1→11n+2→・・・→11n+8→11n+9→11n+11 (→:努力値+8)

  と、基本的に努力値を8振ると実値は1増えますが、実値11n+9の時のみ2増えます。これを覚えておいてください。

  まず上から近づける場合を考えてみましょう・・・と言いたいところですが、この場合性格補正は関係無いですよね。どこに8振っても+1なので。

  では下から近づける場合を考えてみましょう。意地っ張り(A↑)でA実値が11n+9のポケモンがいるとします。そのポケモンのA以外に努力値8を振っても実値は+1ですがAに振ると+2され、倍率的に見ても他の能力に振るよりオトクになりやすいです。

  例えば
  ドサイドン(意地っ張り、H205A196)→(H206A196)
                  →(H205A198)
  で上は努力値8で耐久が206/205倍されますが、下は火力が99/98倍されます(他の能力値の倍率同士なので単純な価値の比較は出来ませんが)。

  ただし、ここから元の値を下げていくと、11n+8から16振れば+3(他だと+2),11n+7から24振れば+4(他だと+3)・・・というように11n+9から離れる程伸び率は劣ってきます。補正箇所を11nまで伸ばす価値があるかはその都度見極めましょう。

 

奇数調整(抜群被弾意識)f:id:Level_Eater:20210807124907p:plain

  結論は

  ・まぁどっちでもいいんじゃね

  です。

  効果抜群の技はダメージ計算のシステム上(ほぼ)ダメージが偶数になります。よって、そのような技による確定数は2nと2n-1で変わらないというのは正しいです。
  ただ、相手が珠を持っていないなど割と限定的な状況で活きるだけなので価値は怪しいです。まぁ他の数値が大きく変わる訳でもないので意識して損は無いかもしれませんね。

  余談ですがステロ4倍のポケモンはH奇数にしないと偶数警察に捕まります👮

 

H=B+D調整(総合耐久指数指数?)

  これもたまに見るのですが、正直意義が分からないのでどう書けばいいのか分かりません。耐久はHB,HDに"比例"するのにHBとHDを足すのはどういうことなのでしょうか。

  ちなみに

  被ダメージ割合の期待値が最小
  ⇔「物理火力の平均×物理技被弾割合÷HB+特殊火力の平均×特殊技被弾割合÷HD」が最小

  になります。この式を見るとHB+HDを最大にして何になるんだ???ってなりますよね。

 個人的な見解ですが、被ダメージ期待値最小調整の計算は非現実的です。そのため、具体的な調整先を見つけて耐久調整するのが現実的に一番良いと思います。
  (現実的に計算可能でかつ意味のある指標ってあるんですかね?)

 ちなみにH=B+Dが理想として正しいとすると、
H247 B117 D130 と H247 B85 D162
カビゴンはどちらも理想的だとなりますが、ちょっとでも知識のある方ならカビゴンはBに振るのが効率が良いとされているのはご存じでしょう。

Q.カビゴンは極端な種族値をしているから例外になるだけでは?
A.例外があるなら基準として成り立ってない。
 極端な種族値かを感覚で判断するなら指標の厳密性が無くなるからH=B+Dなんてする必要はない。

 

※補足
 ちなみにこのH=B+Dには、「性格や特性による補正を無視する場合」、「完全に上位互換の調整が存在しない」という事実があります。
 つまり、ある自然数の組(H,B,D)があってH=B+Dを満たしている時、
「H+B+D≧H'+B'+D'」かつ「HB<H'B'」かつ「HD<H'D'」
を満たすような(H',B',D')は存在しません。
 だから何???って話なんですけどね。

 

H:B:D=2:1:1調整

 これは

・やる意義が小さすぎるのでよっぽど困ったらやってもいいかもね

です。上のH=B+D調整に似たものを感じますが、こちらは
物理攻撃と特殊攻撃を全く均等に被弾すると仮定した場合に、被ダメージ割合の期待値が最小になります。
(つまり上記の『「物理火力の平均×物理技被弾割合÷HB+特殊火力の平均×特殊技被弾割合÷HD」が最小』において、物理火力の平均=特殊火力の平均だと仮定した時の理想値)
 ・・・が、当然この仮定自体にかなり無理があります。こんなことをするくらいなら使用率などを見て具体的な調整を施した方が良いでしょう。もしくは環境の物理と特殊の状況から見て多い方に寄せるとかした方が良いと思います。
 良い調整先が見つからなかったり、環境的な判断が困難ならH:B:D=2:1:1調整にしてもいいと思いますが、それくらいこの調整の優先度は低いです。


 

 

終わりに

 この記事は、昔レート2000を目指した時に考察したものの1つを思い出して書き起こしたものになります(幸いにも達成出来ました)。

 当時麻雀について多少の知識がありそれをベースにポケモン対戦の考察をしていましたが、やはりポケモンは数理的な研究が進んでいないように感じました。
 特に勝率との関係を論じずムラっけや命中不安が叩かれているのは古の麻雀感みたい(又は競技的でない)と思っていました。
 とはいえ、これは麻雀が進みすぎているのでしょうね。ポケモン(特に剣盾)では環境やルールの変遷が著しすぎて研究が進められないのだと思います。
 そういう観点から見て僕は「マンネリ」と言われようとも7世代終盤の環境が好きでした。どんどん突き詰められていった感じが良かった・・・(老害)

  分からない点・誤っている点等はコメントやtwitter(@LevelEater_YP)までお願いします。それでは。

 

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